知識や経験をもとに「指導」する従来のコンサルタントに対し、コーチングは相手の話を徹底的に聞き、
自発的行動を促す手法です。
今はコーチングが必要な時代ですという項目でも書かせて頂きましたが、現在各企業は厳しい競争
を勝ち抜くためには、上司と部下が円滑にコミュニケーションをとることが大切です。部下に自発的行動を
促し、目標達成のスピードを向上させる必要があります。
従来の上司が部下を指導するコンサルタント的な管理方法では、目標達成のスピードが遅くなり、今
の時代の変化には対応できなくなっています。
日産自動車では、人材育成の最大のテーマとしてコーチングを位置づけ、全管理職2800人を対象に
研修を始めました。
一方的に命令したり、自分の価値観を押しつけたりするのではなく、部下の声を吸い上げ、やる気を引き
出すことが、会社の長期的な成長に不可欠であると考えたからです。
● 重要なのは効果的な質問をすること
コーチングでは、効果的な質問を投げかけ、新たな気づきを与え、答えを相手から引き出します。
仕事のコミュニケーションでも、この手法を使えば相手の問題を理解し、方向づけをして解決へ向けて
導くことができます。
そのためにも、効果的な質問ができる技術を身に付ける必要があります。
上司の部下に対する悪い質問例と、効果的な質問例を紹介しますので参考にして下さい。
1.悪い質問例
これでは何も解決しません。なぜなら、最初の「なぜできなかっのか?」という質問が適切でないからです。 この質問は、「できない理由」、「言い訳」を引き出す質問です。これでは部下は、できない理由を答えて きます。 部下の側からすれば、「できない理由」、「言い訳」を引き出す質問をしておいて、言い訳をすれば叱られ るのですから、たまったものではありません。 2.効果的な質問例 では、効果的な質問はどういうものでしょうか? 例えば傾聴する姿勢を示し、先ず問題点を部下から聞く質問をします。 次に「何をすればいいと思う?」というように質問してみます。この質問であれば、「何をすればできるのか」 という答えを部下から引き出すことができます。
この質問例では部下は言い訳ではなく、「何をすればできるのか」その手段を自分で考え、答えを出したの
で、納得して自発的行動をおこすことができます。
逆に相手が上司やお客様の場合でも、効果的な質問を応用できます。
意見や提案を受け入れて頂けない時に、「なぜダメなんでしょうか?」と言い訳を引き出す質問をせず、
「何を改善すればよろしいでしょうか?」と相手から答えを引き出すようにすればいいのです。
コーチングの手法は頭で理解しても、実践しなくては身につきません。
あなたがコーチングを上手く仕事で生かし、目標達成のスピードを向上させることができるように、コーチが
サポートさせて頂きます。
関連記事として従来の部下管理方法とコーチングの違いもよろしければお読み下さい。
|