
NHKの番組で”医者は人生を手術する”というタイトルで脳神経外科医の上山博康さんが紹介されていました。
脳動脈瘤(りゅう)は必ず破裂するとは限らないが、ひとたび破裂すれば半数が死にいたると言われています。
破裂を未然に防ぐために手術することもできるが、その判断は簡単ではありません。手術にも後遺症のリスクがあります。
手術を受けるかどうか、患者や家族に判断が委ねられるため悩む人が多い。ですが上山さんは、不安を抱えた患者に
対して、「大丈夫だ」と言い切る。手術のリスクを説明したうえで、後遺症なく治すことを約束します。手術の結果に責任
をもつことで、患者の負担を和らげるのです。
一方で言い切ることには覚悟がいります。万が一の場合、患者側から訴えられる可能性も否定できません。ですが、上
山さんは言う。「患者は人生をかけて医者を信頼する。その信頼に対して医者は何ができるのか。自らもリスクをとって五
分と五分の関係を築くこと、それが礼儀だと思う。」
私はこの番組を見てコーチ、カウンセラーに通じるものがると感じました。コーチング、カウンセリングを引き受けるには覚悟
がいるということです。
コーチ、カウンセラーも「受ける」と言った以上は、自らもリスクをとって五分と五分の関係を築くことによりクライアントとの信
頼関係が生まれます。
自分が手に負えないないと思うクライアントに対しては、素直に他のコーチ、カウンセラー又はコンサルタント等他の専門
家を紹介する必要があると改めて思わされました。
私は独立企業を目指している方と、コーチングセッションを持ちました。その方は、コーチから叱咤激励を受け、いろいろ
指示をしてほしいとの要望を持っていました。
コーチングのスキルでは、”目標を2倍にする”等ハードルを高くしてクライアントに刺激を与えて、行動を起こさせることは
可能です。
この方もそのようなスキルを使えば、コーチングできるかもしれません。また1人でも多くのクライアントを獲得したいコーチの
立場からすれば、「コーチできます」と言いたいところです。
しかし、上記のように、コーチングを引き受けるにはコーチ側の覚悟がいります。
私はこの方は、コーチングを受けるよりコンサルティングを受ける方がよいと判断し「コンサルティングを受けた方がよろしいと
思います」と伝えました。相手の方も「コンサルティングを受けることも視野に入れて再度検討します」と言って下さいまし
た。
相談者の内容により、自分の分野ではないと判断し、適切な分野を紹介できることもコーチの人間力の一つです。
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